通貨の腐食 2010 7 11

書名 ドル腐食時代の資産防衛
著者 村田 雅志  同友館

 この本は、アメリカ経済の分析から始まって、
世界経済まで鳥瞰するというスタイルとなっています。
 読む人によって印象は違いますが、
私の読後の印象としては、
アメリカにおいても、欧州においても、デフレが出現する、
つまり、欧米は、バブル崩壊後の日本と同じ道を歩むことになる。
 私は、そういう連想をしました。
さて、通貨の腐食は、ドルよりもユーロの方が早そうです。
アメリカは、有名な双子の赤字、
欧州においては、ソブリンリスクに金融不安という具合に、
通貨を腐食させる要因は、いくらでもあるでしょう。
 ところで、円は、どうか。
確かに、日本政府は、巨大な借金を抱えています。
それでも、円高に向かうのは、なぜか。
 その原因は、複数ありますが、
そのひとつの原因をあげれば、こういうことです。
日本は、高金利だからです。
 ここで、意外感を感じたでしょう。
確か、日本の金利は、ほとんどゼロに近いはずだ。
それなのに、日本が高金利というのは、どういうことだ。
 実は、ここでいう高金利とは、実質金利のことです。
確かに、名目金利はゼロに近いのですが、
実質金利で考えれば、高くなるでしょう。
 名目や実質という言葉が交互に出てきて、
わかりにくいと思うかもしれません。
 では、こう考えてみれば、どうでしょうか。
1個100円で売っていた商品が、1か月後98円になった。
2か月後には94円に、半年後には89円になっていた。
 これは、商品の値段が下がったというよりは、
100円硬貨の価値が上がった、
つまり、100円硬貨に「見えない利子」がついたと考えれば、どうでしょうか。
 デフレ時代に、現金は王様となります。
インフレになったら資産運用、デフレの時はタンス預金でしょうか。
多くの庶民は、経済学を学んでいなくても、
その行動は、経済的に正しい。











































































































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